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Mickey社長のBlog

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.3

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.3

パクセーの市内はホテル近くに大きなマーケット、そして東南アジアの商店、露天などこじんまりした街ですが、『ラオスコーヒー協会』の建物があるという事を考えるとやはりラオスのコーヒーを語る上では重要な街! 街並みはどこかフランス領だった時代を感じさせるコロニー風(昔、学生時代にアメリカ縦横断40日間の一人旅をした時に寄ったニューオリンズ辺りの街並みを思い出した)洋風と根っからのオリエンタルなクロスカルチャー感が心地良い... 街中から直ぐにボラベン高原へ向けての一本道(国道/幹線道路)をひたすら走る...そうは言っても約2時間強くらい…アクセスの良い産地で、道中エンさんの軽快で興味深いラオスあるある話を聞きながらだったのであっという間でした。 コーヒーの木が見えてきた... 標高も1,000mを超え〜いくつかの村を超え〜ボラベン高原は山ではなく高原ですので全体的に高地のエリア。今回のエンさんの親戚にあたるソンプーさんが新たなコーヒー生産組合を作りコーヒー農園を保有し、ウエットミルのある地域は現地でダン・サワーンと呼ばれるボラベンでも最も肥沃なエリア!通常は近隣のタイやベトナムなどへの販売を行っていたが、でら珈園さんとの出会いで日本への輸出が始まり、今回僕の訪問に繋がったのです〜 農園はソンプーさんの家族及び親戚(エンさんも含む)で営まれていて、到着した時も収穫中でした。農園ではTYPICAティピカ(現在FWCFで販売中)とCATIMORカティモールの2種類の栽培、基本メインはウォッシュドで、一部ハニー(通常:イエローハニー)精製も実施しています。TYPICAの収穫はほぼ終わり、これからCATIMORの本格収穫という時期でした。コーヒー品種の中でエチオピア原種(FWCFのバンティネンカ)はHerloomエアルームと呼ばれ、アラブの商人達がコーヒー苗を交易により広めて行った事で変異した品種がTYPICAなので各地に根付いた今の姿に凄く興味があり、最近この品種を追い求めています... CATIMORカティモールとの大きな違いは枝の付き方で枝間の長さと枝の角度とでも言った方が良いのでしょうか〜Yの枝角度が鋭角とか、実の付き具合(収量ではCATIMORの方が数段上です)など色々なポイントがあり、最大の特徴は『新芽がブロンズ色』...その木の状態を隅々まで見させて頂き、同時に色々な解説もしてもらいました。 シェードツリーもバナナやアボカド、パパイアなど...こちらの標高は1,080m程度、但しメインの農園は1,200m〜1,300mで広大なForestフォレスト農園!今日は精製をこちらで実施してくれるので時間がない為...明日の楽しみにキープ!! TYPICAとCATIMORを満喫した後、精製〜既に収穫してもらっていたチェリーをパルパーでウォッシュド処理へ...と、ここで問題発生。実はパルパー(皮剥き)するには水が必要なのですが、水の汲み上げホースが故障...さすが、ソンプーファミリー!!その場にあったホースを繋ぎ合わせて臨時で水道から繋ぐ事に成功...無事、パルパーが稼働し、用意していたチェリーの精製開始〜パルパー後の選別具合やチェリーの皮(カスカラ)の取れ具合をチェック... 今回、訪問の目的はラオス産のコーヒー豆でFWCF独自の精製を出来ないだろうか〜その為に短時間ではありますが、ソンプーさんとはエンさんを通じて色々な話をしなければならないし、生産者として今までの経験と実績、もちろんプライド、更にラオスのコーヒー業界事情...色々な話をしていく中で練って来たプランがありましたので、彼らのウェットミルの状況などを鑑みて一つの方法に行き着いた! 現在メインではウォッシュドですが、ハニーも手掛けている...もっと味わいに特徴を持ったハニー精製が出来ないか?? その夜色々な可能性を思い巡らしながら、2日目〜今日はメインの農園への訪問だ!!トラクターでないとその農園には行けない...広大で道が悪く途中川を渡るなど..ソンプーさんの愛犬が真っ先の乗り込み自分の特等席を確保し、その後皆なで乗り込んで出発〜 森の中に入っていくとそこは素晴らしい景色が広がっていました〜ウェットミルのある昨日の農園も素晴らしいのですが、今日は一面がコーヒーの森!! ここは良いね〜 ソンプーさんは基本Cool、エンさんはTalkative、僕もハイテンションで喋りかけるとソンプーさんもちょっと自慢げにニヤッとし、TYPICA!〜って叫び、皆なテンション高め!!品種の見極めのQuizクイズ状態〜 トラクターはどんどん奥に進み、途中他の生産者の農園もある為、皆な収穫に励んでいたので笑顔を交わし合いながら、どんどん悪路を進んで行きました〜 ソンプーさんの農園は奥の方でかなりのフォレストファーム!茂っている森のエリアにはTYPICAが密集しており、反対側の比較的フラットに整頓されているエリアにCATIMORの様に配置されている。前の農園はTYPICAとCATIMORが混栽しているので見分け必須〜勉強になりました〜こちらはエリアで分かれているので、やはりこちらがメイン農園だと言えます。 ソンプーさんのコーヒーでTYPICAは甘さとオレンジ感が特徴!CATIMORの方がフレーバーは強く、カシスやクランベリーの様で酸味もシャープな印象(2023ロット)があった...Pickした完熟チェリーのTYPICAはもちろん、CATIMORも甘い!!やはりこの環境に寄与する『テロワール』なんでしょうね〜  

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.3

パクセーの市内はホテル近くに大きなマーケット、そして東南アジアの商店、露天などこじんまりした街ですが、『ラオスコーヒー協会』の建物があるという事を考えると...

ラオス

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.2

2024年11月...日本からベトナム/ホーチミンへ6時間程度のフライト...トランジットで2時間程度ホーチミンで早速バインミーとベトナムコーヒー ここから何故かカンボジア/プノンペン(機内で乗客乗換の為1時間弱カンボジアに居た/入国なし)→ラオス/ヴィエンチャンのルートで約9時間ほど乗り継ぎを経てワットタイ国際空港(首都/ヴィエンチャン)に到着しました。 写真はホーチミン→プノンペン→ヴィエンチャン行きの機内ですが、名古屋→ホーチミン間の機内はこれより席が1列多い機体でしたが、6時間程度のフライトで新鮮だったのは今ではあまり見ない座席の前にエンターテイメント(映画や音楽)画面がない!...次回の良い教訓になりました。 到着した時は既に夜9時過ぎで辺りは暗く夜のヴィエンチャンの街をホテルまで...首都ヴィエンチャンの人口は約100万人(ラオス人口約750万人)、さすがに首都だけあって都会!街並みはフランス領の面影を残す建物と東南アジア特有の寺院も多く、カフェやレストランは多くの外国人旅行者らしき人で賑わい、ホテル周辺も賑やかで目の前のHard Rock Caféや少し歩いた先にあったメコン川流域の寺院らしき建物周辺でまさかのナイトSHOWでお祭り騒ぎ...歌あり雑技団系の踊りや芸を繰り広げられていてオーディエンスもそれなりで夜遅くまで周辺は排気ガスの匂いとクラクション、会話で賑わっていました... 平均年齢は24歳程度(東ティモールは18歳!)ですので、やはり日本の少子高齢社会とは大きく異なる東南アジアの決して豊かではありませんが可能性を秘めている国...平均年収は10万程度で近隣のタイ、ベトナムの方が稼げる為若者達の国外流出は課題になっている様です〜社会主義国!この言葉の響きにどんな感じ?と思われる事でしょう。 実は僕も人生初の社会主義国への渡航だったのです〜でも空港の税関や入国審査や夜の街中を見る限り至って自由で社会主義国のあの国?のイメージは全く感じる事はありませんでした。入国審査官が軍服?だった事くらいでしょうね。 よっぽど中米の空港や街中で拳銃やショットガンを携えている国の方が緊張感溢れます... 勝手な社会主義国へのイメージってどうしても持ってしまっていますが、現地で色々話を聞いてみるとかなり自由だし、あまり厳しくはない様です...情報統制とか警察国家的な...近年ASEANの議長国を担い、1975年国交を結んで以来日本も多くの援助を行って来ていましたが、隣国である中国の影響は多大で国家として親中政策を取り中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の要衝の一つ...中国の援助で2021年にヴィエンチャンと中国雲南省昆明を結ぶ鉄道が開通、この鉄道のラオス区間は建設費も技術も大部分を中国に依存、外交や経済面で中国の圧力に屈する「債務のわな」に陥るリスクが指摘されている様です... カフェも良い感じのお店が何軒もあり、早速お気に入りのカフェを見つけました〜 一番気になったのは『電線』です...?? どうやらこの状況ですので度々火事を起こすらしいです...インフラの整備に関してはきっと人口増加や発展途上国あるあるで計画的ではなく必要に応じて増やしている状況なのでいつか成長過程から成熟国家となる段階で整備されていく事でしょう...日本も僕らがまだ幼かった頃は確かに整備はされてなかった記憶ありますもんね〜まだまだ発展途上!   いよいよ、PAKSEパクセー ヴィエンチャンはラオスの中部に位置していますので、そこから国内線で約1時間強...南部のボラベン高原のあるパクセーへ向かいました。人口は87,000人程度でまだフランス領インドシナ時代にチャンパーサック王国が存在していたのがこの地域でチャンパーサック宮殿もラオス王国に統一されるまでは存在した都市で西はタイ、南はカンボジアと交流の盛んな地域で栄えており、日本の中小企業向けの工業団地「パクセー・ジャパン日系企業専用経済特区」が開発中で運営母体として西松建設が参画している。タイとの国境付近にメコン川を渡る橋:セコン橋は現地では『日本大橋』と呼ばれ、日本の援助によって架けられ、2018年の開通後セコン県のラマン群とダクチュン群を繋ぐ地域格差を埋める役割と経済発展に寄与しています。日本も中国に負けずに頑張ってますね〜今年は国交樹立70周年、天皇陛下も以前訪れた国、そして愛子様も初外交として行かれる親日国は今、少し話題になっています〜   パクセー空港ではエンさんがお出迎え!エンさんは今回訪問先のコーヒー農園のオーナー:Somphouソンプーさんの親戚で生産組合の代表を務める方(日本への就労経験あり/日本語堪能)、でら珈園さんの仕入れ先で今回のプロジェクトの協力者です。早速、エンさんの車に乗り込みソンプーさんの農園へ向かいました〜    

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.2

2024年11月...日本からベトナム/ホーチミンへ6時間程度のフライト...トランジットで2時間程度ホーチミンで早速バインミーとベトナムコーヒー ここ...

ラオスコーヒープロジェクト

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.1

ようやくこの記事を書く時期が来ました〜 2024年11月にラオスのボラベン高原(南部優良コーヒー産地)を訪問し、そこで『精製』を含めた新たなプロジェクトを開始しました。 仙台の炭卸商社(株式会社たかやま)さんの手掛ける『でら珈園』のアドバイザーとして一緒に現地へ赴き、今後のラオスコーヒーの発展を目指すプロジェクトを始動させました。 Laosラオスのコーヒーとの出会いは遡る事2010年のNZ まだオークランド(NZ)で福島にプロデュースを依頼されたカフェKERI KERIへの焙煎豆提供の為に友人でMAX COFFEE ROASTERのBENNと一緒に日本向けのブレンドやコーヒーラインナップを検討していた頃です... 当時、BENN(MAX COFFEE)はオーガニックの生豆(JAS/USDA認証)を仕入れて焙煎&販売していてその時初めて彼の焼いた東ティモールのコーヒー豆に出会い、その味わいに感動...今に至っているのですが、KERI KERI向けのコーヒー豆は当時全て有機栽培のコーヒー豆でスタートし、その中でLaosも候補に上がっていました...結局、味わいは甘味が特徴で当時は深煎りでしたのでキャラメル感が良かったのですが当時産地の知名度を優先してしまい、唯一お気に入りの『東ティモール』(マイナーな産地でしたが、支援と味わいへの期待も込めて)でそれ以外はメジャーなブラジル、コロンビア、グァテマラ、インドネシア(マンデリン)の5銘柄で2011年11月に福島市で誕生したKERI KERIのシングルラインナップ及びKERI KERIオリジナルブレンドは誕生しました... ラウー(Laos)のコーヒーは美味いぞ!Bennはその当時笑顔で語っていました... 最近の東南アジアコーヒー産地で飛躍的に成長を果たしているタイのコーヒーを扱い始め、インドネシアは昔から扱っていましたが、近年こちらもCOE(カップ・オブ・エクセレンス)開催を契機にタイも含めて飛躍的に産地情報がどんどん明らかになり、魅力的な生産者やロットと出会う機会が増えて来た事も大きいと思います。 そんな東南アジアコーヒー市場に注目し始めた頃に『でら珈園』さんと出会い、ラオスのコーヒーを紹介され、10年以上の時を経てラオスのコーヒーと再会したのです。 そもそもラオスのコーヒーとは... 1915年、フランスからコーヒーノキが持ち込まれたのがラオスコーヒーの始まりです。当初はラオスの政治や内戦の影響で、コーヒー豆の生産はほとんど発展していませんでした。しかし、ラオス政府がコーヒー豆の生産を復興する改革支援を始めたことで、状況は一変します。ラオスでは植民地時代にコーヒー豆の生産を始めた小規模農園が多く、産業拡大による市場価格の下落に耐えられる経済的体力がありませんでした。2000年頃、小規模農園とフェアトレード契約が盛んになり、ラオスのコーヒー豆を保護する動きが広まりました。ラオスではカネフォラ種(ロブスタ)の生産量の方が多いのですが、アラビカ種(主にティピカ/カティモール)スペシャルティコーヒー市場としても存在感を示して来ています。 あまり知られてはいませんが... コーヒー総生産量は世界14位(2022)*11位(2020),13位(2021) フェアトレードを推進する企業や組合により、アラビカ種や市場で価値の高いコーヒー豆の生産を目的とした指導や機械が導入されています。現在ではベトナムや中国、タイなどの隣国やヨーロッパや日本にもラオスのコーヒー豆が輸出されています。 コーヒー産地はどの辺か?   ラオスのコーヒー豆の生産は、9割ほどが南部のボラベン高原.. ラオス南部は赤道に近いため、温暖な地域です。標高も高く、雨季と乾季のあるモンスーン性気候が特長です。また数百年前に起きた火山噴火により、コーヒー豆の栽培に必要なミネラルを豊富に含んでいる火山灰性の土壌でもあります。ボラべン高原では1万5,000人~2万人の人達が小規模農園でコーヒー豆の生産を行っています。数は少ないですが、大規模農園を運営するところもあるようです。小規模農園では無農薬、手作業で栽培や収穫が行われています。
アラビカ種の収穫時期は3~5月です。精選方法は水洗式(ウォッシュド)がメインです。 この様なラオスのコーヒー事情を踏まえてFWCFのラオスコーヒープロジェクトは開始しました〜  

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.1

ようやくこの記事を書く時期が来ました〜 2024年11月にラオスのボラベン高原(南部優良コーヒー産地)を訪問し、そこで『精製』を含めた新たなプロジェクトを...

コーヒー豆の発酵の話

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.3 最終章〜

これぞ『進化型』!と呼ばれる嫌気性発酵Anaerobic ~ 進化型のファーメンテーション ⑤アナエロビック(嫌気性発酵) 正に『ファーメンテーション発酵マジック』この発想はワインの原料となるブドウの精製から流用されていて、発酵プロセスの際に微生物が有機物(コーヒーチェリー)を分解して生成する物質が新たなコーヒーフレーバーを生み出しています。 Anaerobic嫌気性発酵に関してはバラエティ豊かな手法(密封式プラスチック製の樽~最新のステンレス製で気圧/ph/温度やモスト噴射機能など高性能な専用タンクなど)が世界に広がっていますが、そのパイオニアと呼ばれている方が以前FWCFでも取り扱った事のあるコスタリカのカフェ・デ・アルトゥラ精製所のエステバン氏の好奇心だったと言われています。窒素(ニトロ)を充填し、酸素を除去したタンクの環境を作り上げるアイデアです。 “Mossto”とは英語ではMustと呼ばれる自然な嫌気性発酵中に生成される液体で、粘液質とコーヒーチェリーなどで形成される状態のことです。元々はワイン用語で、ブドウ圧搾後、果汁・果皮・果肉・種子などが混ざった状態のことを指します。モストを再循環させるポンプを備え、発酵中のコーヒータンクの天井からモストの雨を降らせることで、コーヒー豆を常に微生物と接触/循環し、コーヒーの嫌気性発酵を維持させる目的で使用されています。 同様にカーボニック・マセレーションもAnaerobicの代表格*窒素は使用しない「カーボニック」= 炭酸(二酸化炭素)「マセレーション」= 漬けるの意味で、二酸化炭素に漬けて発酵させると言った意味になります。元々は、ワインの精製方法で一部の地域で行われているようで、有名な「ボジョレー・ヌーヴォー」がこの発酵方法で生産されているとの事です。ワインの精製とコーヒーの精製は本当に結びつきが強いものなのです。 味わいの特徴は様々...一般的にスパイシーでまろやかなフルーツ感、ワイン感...*但し、精製差や生産者差、出来栄えには賛否両論あります... アナエロビックにはナチュラル、ハニー、ウォッシュドなど様々...生産者の想いが込められています。 発酵の仕組みについて文字にすると超複雑(まるで化学の授業の様な専門用語の乱立...) コーヒーの発酵の元になるのは、ミューシュレージとそれに付着している微生物。ミューシュレージには糖分やペプチンが含まれていて微生物がこの成分を分解する事で発酵がおき、独特の風味を生成します!   a.微生物の活動(酵母やバクテリア)はミューシュレージのスクロース(糖分)やペクチンを分解 →グルコースやフルクトースなどの代謝副産物を生成 b.代謝副産物の分解 →アセトアルデヒドやエタノールなどの物質を生成 c.酸性物質の生成 →更に反応し、クエン酸や乳酸、酢酸などの酸性物質を生成 d.香りの生成 →微生物の活動によるエステル化合物はパイナップル、リンゴ、ブドウ、バナナなどの様々なフルーティな香りをもたらす ジャコウネコの体内で発酵されたコピ・ルワックは今まで綴ってきたa~dの科学的アプローチでは出来ない発酵です。 『最高の人生の見つけ方』という映画で語られた一言で今も存在感のある究極の発酵コーヒーという地位を築いています。映画好きの僕にはたまらないフレーズでした... e.最初のペクチンとスクロース以外に、果肉除去したコーヒーのタネ(豆)に含まれるアミノ酸がアルコールと反応しエステル化合物をさらに作り出します。   そもそもコーヒーは発酵食品!と語って来ましたが、以上が発酵の仕組みなのです。ナチュラルはもちろん、ハニーやウォッシュドのコーヒーでさえもパルピング後夜間の涼しい時間を利用して発酵槽と呼ばれる槽の中で実施されます。 発酵過程を経ず、乾燥されたコーヒーは本当に味気のないコーヒーになる事が検証されていますので、通常のコーヒー精製に程度の差はありますが、必ず発酵過程を経て美味しいコーヒーが出来上がっているのです。 通常は以上の様な好気性発酵(こうきせいはっこう)で微生物は酸素を好むものなのです。 現在販売中のタイのDoi SaketはLactic...

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.3 最終章〜

これぞ『進化型』!と呼ばれる嫌気性発酵Anaerobic ~ 進化型のファーメンテーション ⑤アナエロビック(嫌気性発酵) 正に『ファーメンテーション発酵...

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.2〜

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.2〜

地域性やスペシャルティコーヒーの隆盛期2010年以降飛躍的に新しいトレンドとして過去10年で飛躍的に伸ばしている精製方法が③セミウオッシュド/パルプドナチュラル(正式名称)=ハニー(コスタリカ)です。 これはコスタリカや中米で興った『マイクロミル革命』〜通常、高地の生産地(標高1,500〜2,000m)で収穫したチェリーは電気や水道/灌漑設備の関係で低地の大型の精製所(町や村の精製所)まで運ばれて精製を行って来ました。その流れをいくつかの農園や生産者等で共同で小さな(マイクロ)精製所を作って採れたてのチェリーを新鮮なうちにパルピング(水洗皮剥き処理)や天日乾燥させる“ムーブメント”(一種の精製工程の革命)が起きました! ここで登場したのが正式名称は『パルプド・ナチュラル』=『ハニー』(主にコスタリカでの呼称)なのです。 大義としてはウォッシュドに分類されパルピング(皮剥き)して水洗式で仕上げる精製ですが、①との大きな違いはパルピングの後の処理の仕方です。セミウォッシュドはパルピング後ミューシュレージの付いた状態で棚干し過程に入ります。 レシピと呼ばれる『精製プロセス(過程)』は生産者により様々です... 写真左がウォッシュド、右がハニー 発酵槽で〇〇時間~〇〇時間寝かすレシピ、パルピングの度合い(ミューシュレージと皮の残り具合)を調整出来るミューシュレージリムーバーを保有している生産者による多様なハニー(ホワイト/イエロー/レッド/ブラックetc)...マイクロミルの発展、世界のスペシャルティコーヒーの新たな味わいへの渇望...中米コスタリカで大きく発展した『ハニー』は今ではメジャーな呼称になりました。取り立てのチェリーをその場で精製する〇〇ハニーは『個性的な味わい』を実現させる正にスペシャルティコーヒー業界の革命となったのです~ A:ホワイトハニー★ウォッシュドとほぼ同様と思われますが、ミューシュレージが極小 B:イエローハニー★ミューシュレージが30%程度残存/最も安定的でメジャーな仕上げ。甘さとスッキリさ、キレも感じます。 C:レッドハニー★ミューシュレージ&皮が50%程度残存/コクとフレーバーが特徴 D:ブラックハニー★ミューシュレージ&皮が70%程度残存/ワイニー感が特徴 フラホワの販売中のコーヒーは精製方法にとにかくこだわりを持ち、色々な精製のコーヒー豆の販売を手掛けています。*ウォッシュド/ナチュラル/レッドハニー/スマトラ式 セミ・ウォッシュドと呼ばれるコーヒー精製に中に④スマトラ式も含まれます。通常はチェリー(皮付き:赤又は黄色*品種によって皮の色は異なります)の状態で取引されます...伝統?風習なのでしょう〜多分気候の影響も大きいのかもしれませんが、インドネシアのスマトラ島では昔からチェリーの状態ではなく、皮を剥いて洗い 発酵槽を経て水分値30~45%まで一時乾燥させたまだ濡れた状態の殻/パルプ付きのコーヒー豆の状態(GABAHガバ)で取引され、 買い取ったGABAHの殻付き豆を水分値30%まで乾燥させ(LABUラブ)、その後脱穀し、生豆の状態(ASLAアスラ)で最終水分値11%程度になるまで乾燥させて仕上げます。特徴としては通常のウォッシュドやパルプド・ナチュラル(ハニー)で仕上げた生豆より黒緑色で少しよじれているシェイプの生豆となります。 *レッドハニー *スマトラ式 インドネシアのスマトラ島では中米や南米、アフリカの主要産地と異なり亜熱帯性の熱帯雨林気候なので乾季でも雨はよく降りますし、なかなか乾燥状況には恵まれていない地域性がこのスマトラ式の偶然いや必然の精製となり、その『スパイシーな味わい』に魅了された中米の生産者達があえて同じ様なGABAH→LABU→ASLAの工程を踏んでスマトラ式に取り組んでいるなんて話を聞くと本当に生産者さん達の『努力』や『探究心』には脱帽です。日本では『マンデリン』と呼ばれるコーヒーはスマトラ式で仕上げたコーヒーで通常は深煎り/スパイシーで華やかな香りが特徴です。  

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.2〜

地域性やスペシャルティコーヒーの隆盛期2010年以降飛躍的に新しいトレンドとして過去10年で飛躍的に伸ばしている精製方法が③セミウオッシュド/パルプドナチ...

コーヒーの精製について

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.1

どうしてもコーヒー業界の人は、当たり前の様に『業界用語』で解説してしまいがちです... 身近な嗜好品ではワイン、日本酒...僕はお酒が飲めないのでコーヒーにハマった経緯は今まで店頭や雑誌のインタビューなどで語ってきた既成事実なので、僕が以下の様にお酒の事を語っても説得力はないとは思いますが... 是非コーヒーに興味を持ってもらいたいので少し語ってみます。 先ずはワイン 白と赤の大きな違いは 『白』ブドウの果汁だけで作られる 『赤』葡萄の果汁、果皮、種子を使って作られる *赤ワインは発酵後に圧搾しますが、白ワインは圧搾前に発酵される...発酵が伴います。 日本酒 色々な醸造方法*お米、米麹、水を発酵させて作る 純米、純米吟醸、純米大吟醸、特別純米大吟醸、吟醸、大吟醸、本醸造、特別本醸造... その中でも分類として、 『純米』米・米麹/精米比率の規定はない/米だけで作っている 『吟醸』米・米麹・醸造アルコール/精米比率は60%以下 『大吟醸』米・米麹・醸造アルコール/精米比率は50%以下 『本醸造』米・米麹・醸造アルコール/精米比率は70%以下 ビール/発泡酒 成分は麦芽(発芽させた大麦・モルト)、ホップ(ハーブの一種)、酵母、水ビールの発酵は麦汁中の糖分が酵母によってアルコールと二酸化炭素に分解される生化学反応で、ビールの味わいは酵母の種類によって決まり、発酵方法には『上面発酵』と『下面発酵』の2種類がある... 『上面発酵』エールビール*ペイエール、スタウト、アルト、ヴァイツェンetc『下面発酵』ラガービール*ピルスナー、ミュンヘナーetc お酒が飲める方はこの様な沢山の味わいを楽しめる!僕にとっては羨ましく感じます。 いよいよ本題です。 コーヒー好きの人でもあまり実感されている方は少ないのですよね?コーヒー豆=発酵食品我々コーヒー屋が多用する業界用語の際たる呼び名が精製...発酵のさせ方による仕上げ方に起因しています。  フラホワでも普通に ①Washed(フーリー)ウォッシュド/水洗式  ②Natural ナチュラル/非水洗式  ③Honey ハニー/パルプド・ナチュラル/セミウォッシュド ④Sumateraスマトラ式 セミウォッシュド ⑤Anaerobicアナエロビック 嫌気性発酵 ⑥過去にはワイニー、ファンキーナチュラル、ペルラネグラ、スウィートシャワー、...

コーヒーの精製について〜自称Mr.ファーメンテーション(発酵)のオタクな世界観Part.1

どうしてもコーヒー業界の人は、当たり前の様に『業界用語』で解説してしまいがちです... 身近な嗜好品ではワイン、日本酒...僕はお酒が飲めないのでコーヒー...