ベトナムコーヒー TIMOR LESTEシリーズ BENTI NENQAシリーズ オタクな世界観シリーズ Laos Coffee Project  

Mickey社長のBlog

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.4

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.4

ベトナムのコーヒー生産について語って来ました...ロブスタ種が今でも90%(世界の生産比率はアラビカ60%強ロブスタ40%弱)、アラビカ種は10%でLam Dongラムドン省のDa Latダラットに集中しています。標高も1200m〜訪れた農園で1800mの高地も存在しており今後のポテンシャルは高い!と実感しました。 UCCベトナムさんの主催するベトナムアラビカコーヒーコンテストは既に11回目を迎える現地では大イベント!Da Lat大学は農業の分野で有名な大学らしく、多くの農業従事者を育んでいる大学らしくイベントはそのメインホールで開催され、一次審査を通過した12ロットで決勝が争われました。 現地の生産者や学生達にとって一大フェスの様な状態... 中でも前日にロブスタ種のカッピングをさせて頂いたDa Latを代表するCOFFEE COMPANY(café、Roaster、自社ファームも保有し栽培も手掛ける) La VietラビエットのWong(ワン)の存在感は絶大でした。 ベトナムのコーヒー業界は今まで行った東南アジアの産地のどこよりも素晴らしく完成度の高かった...Wongさんはベトナムの焙煎機の普及にも寄与していて僕らの使用する欧米の焙煎機(フラホワではオランダのGIESEN社とアメリカのLORING社使用中)ではなく、自国の焙煎機の発展の為に使用して共に色々な改善点を見出し『性能の向上と発展に尽力』しているという話を伺い本当に感動しました。 アラビカコンテストはもちろんメインイベントで多くの聴衆が開始と同時に会場を埋め尽くし、僕らもオブザーバーとしてカッピングを行い評価させて頂きました。その様子はローカルTVで配信されており、なかなかの盛り上がりでした。 最終的にはオフィシャルジャッジの方々の評価で順位が決まり、発表が行われ、表彰式も盛大に行われました。今回のコンテストロットの中でお気に入りのロット(結果は2位でした)をフラホワでも今後取り扱いを開始する予定です〜乞うご期待を!! アラビカのコンテストは盛況で終了し、受賞者の中では昨年1位に輝いた生産者が昨年従来の農園を土地の契約の問題で退去をせざるを得なくなり、受賞賞金で新しい農園を買い今年は新しい農園のロットで参加している生産者のお話なども聞けて、確実にこのコンテストは地元の生産者の為になっていて、まだアラビカ種としては10%とヨチヨチの発展途上の状態ではありますがそれを作る生産者達への『希望』になっている事を実感させ得られました。ファインロブ生産者(ジアライ省)のWangさんも遠路はるばるコンテストに駆け付けてくれました〜この熱こそがベトナムコーヒーの発展に繋がっている事でしょう! Da Latのアラビカ種の中にはベトナムで独自に交配種されたTHA1という品種(ティピカ+カチモール)も良好で最近のベトナムアラビカコーヒー市場は熱くなって来ている。 元来、エチオピアとベトナムテイピカの交配種TH-1にカチモールを交配させた収量も多く、病気に強く、味わいティピカ由来の甘さと酸味と『乾燥』に強い品種を作り出している。 こちらの品種もLa VietのWongさんの農園からのロットで知る事になり、彼の農園の苗をDa Latの農家さんへ無償提供を行ってDa Lat全体のコーヒー産業の繁栄に多大な影響を与えている方でした...本当に素晴らしい方との出会いがあり本当に充実したベトナム滞在となりました。 翌日はあっという間の最終日でしたので、Da Latの2農園:ソン・パカマラSon Pacamara、ロック・ラングLoc Rungを訪問させて頂き、2農園とも刺激的な農園でした。 地元でも有名なカフェを運営しているコーヒー生産者のソン・パカマラ農園。 品種は多様でゲイシャ、エチオピア原種(herloom)、カツーラそしてパカマラ! 家族経営の様ですが、比較的街から近い場所の超丘陵地で農園を保有し、ファーメンテーションも多彩、『コーヒー熱』はお揃いのTシャツのメッセージが表している様にひしひしと伝わって来ました! No...

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.4

ベトナムのコーヒー生産について語って来ました...ロブスタ種が今でも90%(世界の生産比率はアラビカ60%強ロブスタ40%弱)、アラビカ種は10%でLam...

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.3

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.3

ジアライGia Lai省のブレイクという街に到着後、生産者のWongワンさん(TAMBA農園)がお勧めのPhoホー(ベトナム発音ではファオに聞こえました*日本ではホーですが...)のお店でご対面&ブレックファストミーティングを行い、ワンさんからブレイク名物の汁なし(※実際は汁は別添え)で混ぜホー!『美味い!』この地域特有のホーを教えて頂きました〜 その後、ワンさんの農園へ 200Ha(ヘクタール)!の巨大な農園!規模がケタ違い!! 施設を車でぐるぐる回り色々な施設(灌漑設備やパーティが出来る様な休憩所etc)、通りかかった池ではワーカーの人が釣りをしている様な光景、ひたすら続くロブスタ種の農園... 少し施設を回った後ドライミルのある施設へ到着。 こちらの農園は収穫、ウェットミル、ドライミル、ハリング、選別、袋詰め、発送までの一環の製造業務の出来る施設を保有するジアライ省でもTOPクラスの優良農業法人です。 聞いてみると元々ベーカリーをやって成功したファミリーで、今も街中でベーカリーは繁盛中!Wongさんのお父さんが所有していた土地で『コーヒーをやろう!!』と思い立って今に至るらしい(確かまだ10年足らずらしい)...200ヘクタール ※よく東京ドームに例えますが、100ヘクタールで21個分なので42個分、東京ディズニーランドが200Ha 何本植えてるか?なんて質問は出来ないレベルです。200万トン以上の生産量です。 早速、事務所でカッピングを行い様々な精製方法のファイン・ロブを堪能して来ました。 ハニー、スローナチュラル、ナチュラル、アナエロビックなど様々なチャレンジロットがあり、僕はその中でも『ナチュラル』が一番良かったので今残っているロットを全て頂き現在店舗で販売中です〜どれも魅力的な味わいで、一気のファイン・ロブスタへの造詣が深まりました。 もう一件、こちらは多分ベトナムでも有数のExporterと言えるビン・ヘップVinhhiep社の倉庫及びドライミル設備を見学〜凄い規模でした〜全てロブスタ種の輸出を行っている会社です。首脳陣方からベトナムコーヒー生産及び輸出等に関する色々な話を聞き、工場見学をさせて頂き、その規模とスケールに圧倒されました。 フラホワで扱っているエチオピア(バンティネンカBENTI NENQA)METAD社の2020年新設工場も2019年に訪問した時は稼働前でしたのできっと今ではこんな感じで稼働しているのだろう...その時、エチオピアが恋しくなりました...そして最後はカッピング ベトナムでも優良なロブスタ種産地であるジアライ省のブレイク!なかなか見応えがありました。 その日はホーチミンに戻り、翌日はアラビカ産地のダラットDa Latへ ホーチミンに戻ると相変わらずベトナム戦争終結50周年を祝うイベント開催中なのか?日常なのか路上はカオス状態...路上は大量のバイク!この距離で囲まれながら(空港からホテルまで)の2時間はなかなか良い経験でした... 今回のベトナム訪問は、そもそもはUCCさんの現地法人UCCベトナムの開催するダラットでのベトナム・アラビカ・コーヒーコンテストへの参加の為の訪問でした。 前半の2日間でベトナムのロブスタ生産現場の刺激が強く、非常に有意義な訪問となりました。  

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.3

ジアライGia Lai省のブレイクという街に到着後、生産者のWongワンさん(TAMBA農園)がお勧めのPhoホー(ベトナム発音ではファオに聞こえました*...

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.2

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.2

ついつい色々語ってしまいがちなのです... 今回のテーマはカネフォラ種/ロブスタ種ですので話を戻して行きます! スペシャルティコーヒー業界にいると『ロブ』(ロブスタ種をよくこう呼びます)は品質が低い、美味しくない、苦い...ハイブリットの交配種も『ロブっぽい』などと表現されたりし...前述した様に、良い悪いではなく、ロブスタ種の染色体の数はアラビカ種の半分である事から味わいが『単調』、アラビカ種の様な華やかさや豊かな酸味感、クリーンさ(キレ)などに劣ってしまうのは宿命とも言える事なのです。 ロブスタ種の強みは何か? アラビカ種の生育に必要な環境に比べ標高が低い場所でも生育可能、最近のコーヒーに関わる病気に強く、一本の枝に付くチェリーの数も多く生産性が高い、etc...良い面ももちろん多いです。用途はインスタントコーヒー、缶コーヒー、イタリアンエスプレッソのブレンド豆、工業用製品のコーヒー味として利用され、世界のコーヒー生産の40%程度を占める。 今はアラビカ種が60%とメジャーな品種ではありますが、僕が’97にTully’sの一号店を日本にオープンさせ奔走していた頃(Sturbucksは’96に日本に上陸*後にシアトル系とかセカンドウェーブと呼ばれる様になりました)はアラビカ種=プレミアムコーヒー(別名『グルメコーヒー』)として特別感がありました。 当時はまだロブスタ種が60%以上を占めおりセカンドウェーブでアラビカ種とロブスタ種の栽培シェアは完全に逆転したと言っても過言ではありません...   何故、今『ロブスタ種』に注目しているか?? その要因は『地球の温暖化/2050年問題』なのです。 *写真はサビ病状態のコーヒー。 温暖化による影響が強い〜最近は耐病性の高いハイブリット品種改良により対応は進んでいますが...消滅は困難な状況です。 コーヒーの2050年問題とは、地球温暖化による気候変動が原因で特に高品質なアラビカ種コーヒーの栽培に適した土地が2050年までに半減するという予測に由来する問題です。 この問題は、コーヒーの品質低下、収穫量の減少、そして生産者の経営難を招き、結果としてコーヒーの価格高騰や供給不足につながる可能性があります。 恐ろしい予測が25年後...最近のコーヒー相場が高騰している要因は不作や天候不順に起因しています。コーヒー生産は温暖化の影響を受けて伸び悩む中、経済発展に伴い消費が増え、更に長引く戦争による原油高やコンテナ輸送費、人件費の高騰、海上航路の不安定さ(海賊問題)、日本の為替状況(円安)etc...着実に迫りつつあります。 アラビカ種の明るくない現実がある中、コーヒー業界も黙って時を待ってはいません! 病気に強く、気温上昇(環境の変化)に対応出来る、生産性が高く『味』も良いetc...積極的な品種改良や精製技術の向上、そして今回ベトナム産地を訪問した要因の一つ! 『ファイン・ロブスタ(CQI*80点以上)』と呼ばれるアラビカに対抗出来る『味わいの豊かなロブスタ種』の最新状況を舌で感じる為、旅立ちました... *CQI: Coffee Quality Instituteコーヒー品質協会SCAAの下部組織でコーヒーの品質向上と生産者の生活改善を目的としオークションなどを行う全世界規模で活動する非営利団体   ファイン・ロブ生産大国ベトナムの最前線〜 ベトナムでのコーヒー生産は世界のアラビカ60%/ロブスタ40%の比率とは大きく異なりアラビカ10%/ロブスタ90%のロブスタ種生産大国なのです。 *ブラジルは流石にアラビカ65%/ロブスタ35%、ロブスタ第2位の生産国です。 T R 1,T R...

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.2

ついつい色々語ってしまいがちなのです... 今回のテーマはカネフォラ種/ロブスタ種ですので話を戻して行きます! スペシャルティコーヒー業界にいると『ロブ』...

ベトナムコーヒー最前線

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.1

コーヒー生産地と言えば...ブラジル!言わずと知れた世界のコーヒーの30%超を担う『コーヒー大国』。コーヒー産地は基本赤道の北緯25度、南緯25度の間のコーヒーベルトに位置氏、生産国数で言えば60カ国に及ぶ生産地帯なのです。 昔からブラジル サントスNo.2(*ブラジルではNo.2が最高等級...コナではエキストラファンシー、ファンシー、そしてNo.1が3番目なんです。本当のNo.1が付けられるのはブルマンだけ!)とか喫茶店では定番でした。サントスは港町でコーヒー産地ではありませんが、伝統ある日本の喫茶文化(ファーストウェーブ)ではサントス、モカ(イエメンの港)、キリマンジャロ(アフリカ最高峰の山:タンザニア)、マンデリン(スマトラ島のマンデリン族)では鉄板の銘柄で『呼び名』でした。 現在のサードウェーブでは『産地』が名称になっています。〜ブルマン(ブルーマウンテンエリア:ジャマイカ)、コナ(ハワイ島コナエリア:アメリカ)2銘柄は昔から『産地』で呼ばれていた事が伺えます〜 ブラジルは南米の大国で世界第5位の人口と世界第6位の国土を誇り、ポルトガルの植民地時代(1727年)にポルトガル海軍士官によってフランス領ギアナから持ち込まれたと言われています。そもそもコーヒーノキはエチオピアの自生植物でアラブの商人達によって世界に広がり、ブラジルの様にポルトガル人によって種や苗が持ち込まれて栽培が開始されたのです。 先に述べたポルトガル海軍士官がフランス領ギアナから持ち込んだ...つまりその時代はフランス領で既にコーヒー栽培は盛んに行われていた事が伺えます。 フランス領のベトナムのコーヒー栽培の歴史はブラジルより古い...17〜18世紀に宣教師達によって持ち込まれて栽培はされていました...公式情報ではブラジルより新しくフランス領(植民地化)時代1857年以降に大規模化(プランテーション)してアラビカ種の栽培を開始したと記録されています... 出典:VietBiz HP 但し、ロブスタ種の方が気候に適しているという見解と特にベトナム戦争後に政府主導の下1980年代のドイモイ政策により一気にロブスタ種の生産を拡大し、世界第2位の生産国(アラビカ10%ロブスタ90%)になりました。インスタントコーヒーの需要が飛躍的に延びたのはベトナム戦争と言われています。正にロブスタ種のコーヒーはインスタントコーヒーの原料として幅広く流通している重要な品種なのです〜訪問時はちょうどベトナム戦争終結50周年パレード開催中でした〜 ベトナムにロブスタ種を持ち込んだのはフランス人で1914年頃、その後研究を重ねベトナムの土壌、気候、標高の研究を経て中部の高原地帯パンメトートを栽培地として選び1922年には一気にコーヒー農園を広げて行きました。中央高原地帯のみならず南東部や中部地方にも進みベトナムコーヒーとしてのブランドと文化は世界でも有名になって行きました。 ベトナムのコーヒーの歴史について語って来ましたが...そもそもコーヒー品種とは?コーヒーの品種には大きく分けて3大品種と呼ばれるアラビカ種カネフォラ種(ロブスタ種)リベリカ種コーヒー関連の資格の試験があったら必ず出題される基本中の基本です。*一般人には全く関係ありませんが、皆さんは自然に口に触れているコーヒーもお米のタイ米(ロング系:インディカ米*世界の80%)と日本のお米(ジャポニカ米)と同じ様にコーヒーとしてそれぞれの品種をドリンクで口にしている可能性が高いのです... フラホワをはじめ通常コーヒー焙煎店では①アラビカ種のみを販売しており、スペシャルティコーヒーとはこのアラビカ種のTOP OF TOPを称しています。 それでは②ロブスタ種③リベリカ種はどこで飲める?飲んでるか?? ロブスタ種は皆さんが一番馴染みの深いコーヒー...そうです!インスタントコーヒーに主に使用されています。缶コーヒーや工業用のコーヒーフレーバー、コーヒー〇〇みたいなお菓子類に使用されているのできっと口にした事はある味わいです。 アラビカ種との大きな違いは『染色体の数』でロブスタ種は半分、カフェインは倍(そうは言ってもカフェイン含有率はアラビカ1%に対しロブスタ2%という程度)、香ばしく苦い(豆や麦感)だけでフルーティ感(酸味系)なく、ただ単に「コーヒー味」だと思って頂ければ分かりやすいと思います。豆の形も丸みを帯びて、センターカットと呼ばれる豆の割れ目が真っ直ぐ...アラビカ種はS字のカーブがあります...専門的言えば、更にロブスタ種もいくつかの品種に分かれているのです... せっかくなのでリベリカ種についても軽く触れておきます。先ずは希少性です。コーヒーと呼ばれる中で僅か1%に満たないのがリベリカ種です。生産自体がほぼされていない...西アフリカのリベリア高原発祥で高い木だと10〜15mにもなる大木、味は苦味が特徴ですが酸味もあり、カフェインは少なくアラビカの6割程度(0.6%)、アラビカ同様病気に弱く、高地でなくても栽培可能...今はフィリピンとマレーシアの一部の地域のみでの生産にとどまっています。 最近はインドネシアなどでS795というリベリカ種のハイブリットもメジャーになって来ている。そして第4の品種と言われているのがリベリカ種の派生種④エクセルサ種...世界では6%程度とかなり低い生産量ですが、リベリカ種より酸味に優れアラビカ種との差は大きくない...まだまだ最近その特性や品種が確認出来て来たばかりのため今後の注目度は高い...  

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.1

コーヒー生産地と言えば...ブラジル!言わずと知れた世界のコーヒーの30%超を担う『コーヒー大国』。コーヒー産地は基本赤道の北緯25度、南緯25度の間のコ...

ラオスのコーヒー農園ソンプー

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.4 最終章

今回の訪問の目的はFWCFオリジナル精製!独自のFermentation(発酵&精製)の実現!滞在期間内の限られた時間の中でソンプーさんの農園、ウェット&ドライミルのキャパに適合した精製でなければ実現出来ない...チェリーの味わいも含めて収穫時期後半だった事もあり本当に充実した時間だったと思います。 天候に恵まれ、エンさんとソンプーさん、ご家族親戚の皆さんの献身的な協力により一つの精製方法『ブラックハニー』に行き着きました。是非、ダンサワーンの特徴を出したい!その為には通常のブラックハニーよりも多めのチェリーの皮(カスカラ)とミューシュレージの付着と36〜48時間小山盛に重ねた状態で発酵乾燥を実施し、次の過程で徐々に山盛りをほぐして行き、最終的は24日間掛けてフラットな状態で乾燥を重ね、通常の1.5倍の熟成かつ乾燥工程を経て仕上げられました。 産地の気候は変わり易く、雨季と乾季があると言われるコーヒー産地ですが、地域によっては様々で亜熱帯気候地域では乾季でも雨は降りますし、雨が降って乾燥して来たパーチメント(殻付きのコーヒー豆)が濡れたりするとカビの発生を招いたり、コーヒーの味わいに多大な影響を及ぼす原因になるので本当に神経を使うプロセスなのです。気を抜けない!相手はコントロールの効かない『天候』だからです... 結果、丁寧に仕上げてもらった今回のロットは『甘さ』に関してはかなり格別!長めに熟成させることによる期待していたフルーツ感は、ブラックハニーならではのブルーベリーやプラム感溢れる『芳醇な』味わいのコーヒーが出来上がりました!! FWCFらしいネーミングとして、NZゆかりのダブルショットのエスプレッソ=LONG BLACKと通常のブラックハニーよりも長めの熟成を重ねてLONG BLACK HONEYと名付けて販売開始しました〜 そもそもティピカという品種に興味を持ち、その歴史はエチオピアの原種がイエメンでティピカになり、その後インドネシアへ...最初に述べた様にラオスにそのティピカ種がフランス人によって持ち込まれて始まったコーヒー栽培は100年以上(Since1905 )今も続いている... 現地の人達:ソンプーさんはじめ皆んなが声を揃えてラオスの在来種はティピカ種!今は耐病性に強く生産性が高いカティモール種(ティモール&カツーラ:ハイブリット種)が耐病性の弱いティピカを抜き主力種となっている。そうは言っても彼らはティピカを絶やさないように頑張っています。 SUSTAINABLE コーヒー業界として重要なKEY WARDです。 農園を視察後、ソンプーさんの奥さんが家庭料理を用意してくれて伝統的なスティッキーライスを手で頬張る!ライスも2種類準備してくれるという素晴らしいおもてなしをして頂けました〜何と!ソンプーさんの家に『焙煎機』が...そして彼らからミッキー焙煎教えてよ〜のオファーが...僕のロースター魂はもちろん『Sure,Why Not?』...彼らは僕の焙煎に興味津々...これがスペシャルティコーヒー焙煎だ!と言わんばかりに彼らにとっては目から鱗の『浅煎り』を披露〜かなりの年代物...どうやらJICA絡みで手に入れた様な話をしていました...煙突もなく排気はそのまんま...プロパンガスを繋いでワイルドな屋外焙煎! GIESENとは勝手が違いましたが基本は一緒、浅煎りを仕上げて彼らはその焙煎度合いにもビックリ!焼き立てよりも明日に飲んだ方が美味い!のですが、我々には時間がなかったので持参したエアロプレスとソンプーさんが大切に使っている(かなり年季が入っている)V60の2種類で抽出〜そのフルーティな味わいに驚愕!これ、本当に俺のコーヒーなのか??って...奥さんも『美味い』って親指立ててくれました。でも好みはいつものビターな深煎りの方だったと後でこっそり聞きました(笑) そもそも浅煎りや中煎り、深煎りと言うよりも『こんな感じ』と言うサードウェーブ前の90年代のコーヒー感覚はまだラオスで根強いと思います。情報が足りないし少ないし、まだこれからのポテンシャルが溢れている国だと思います。当然、今まで語って来たコーヒーの精製についてもまだまだコンサバティブな状況です。10年前、いや5年くらい前のタイやインドネシアのコーヒーはこのラオスと同じ状況だった事でしょう... コーヒー業界は日進月歩です。 FWCFとしても常に『進化』を求めて走り続けています。 SUSTAINABLE & PROGRESSIVE『持続性と発展』 世界にはもっと美味しいコーヒーがあります。生産者なくして美味しいコーヒーは生まれて来ません! ラオスのコーヒー発展の為に汗を流して行きます。  

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.4 最終章

今回の訪問の目的はFWCFオリジナル精製!独自のFermentation(発酵&精製)の実現!滞在期間内の限られた時間の中でソンプーさんの農園、ウェット&...

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.3

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.3

パクセーの市内はホテル近くに大きなマーケット、そして東南アジアの商店、露天などこじんまりした街ですが、『ラオスコーヒー協会』の建物があるという事を考えるとやはりラオスのコーヒーを語る上では重要な街! 街並みはどこかフランス領だった時代を感じさせるコロニー風(昔、学生時代にアメリカ縦横断40日間の一人旅をした時に寄ったニューオリンズ辺りの街並みを思い出した)洋風と根っからのオリエンタルなクロスカルチャー感が心地良い... 街中から直ぐにボラベン高原へ向けての一本道(国道/幹線道路)をひたすら走る...そうは言っても約2時間強くらい…アクセスの良い産地で、道中エンさんの軽快で興味深いラオスあるある話を聞きながらだったのであっという間でした。 コーヒーの木が見えてきた... 標高も1,000mを超え〜いくつかの村を超え〜ボラベン高原は山ではなく高原ですので全体的に高地のエリア。今回のエンさんの親戚にあたるソンプーさんが新たなコーヒー生産組合を作りコーヒー農園を保有し、ウエットミルのある地域は現地でダン・サワーンと呼ばれるボラベンでも最も肥沃なエリア!通常は近隣のタイやベトナムなどへの販売を行っていたが、でら珈園さんとの出会いで日本への輸出が始まり、今回僕の訪問に繋がったのです〜 農園はソンプーさんの家族及び親戚(エンさんも含む)で営まれていて、到着した時も収穫中でした。農園ではTYPICAティピカ(現在FWCFで販売中)とCATIMORカティモールの2種類の栽培、基本メインはウォッシュドで、一部ハニー(通常:イエローハニー)精製も実施しています。TYPICAの収穫はほぼ終わり、これからCATIMORの本格収穫という時期でした。コーヒー品種の中でエチオピア原種(FWCFのバンティネンカ)はHerloomエアルームと呼ばれ、アラブの商人達がコーヒー苗を交易により広めて行った事で変異した品種がTYPICAなので各地に根付いた今の姿に凄く興味があり、最近この品種を追い求めています... CATIMORカティモールとの大きな違いは枝の付き方で枝間の長さと枝の角度とでも言った方が良いのでしょうか〜Yの枝角度が鋭角とか、実の付き具合(収量ではCATIMORの方が数段上です)など色々なポイントがあり、最大の特徴は『新芽がブロンズ色』...その木の状態を隅々まで見させて頂き、同時に色々な解説もしてもらいました。 シェードツリーもバナナやアボカド、パパイアなど...こちらの標高は1,080m程度、但しメインの農園は1,200m〜1,300mで広大なForestフォレスト農園!今日は精製をこちらで実施してくれるので時間がない為...明日の楽しみにキープ!! TYPICAとCATIMORを満喫した後、精製〜既に収穫してもらっていたチェリーをパルパーでウォッシュド処理へ...と、ここで問題発生。実はパルパー(皮剥き)するには水が必要なのですが、水の汲み上げホースが故障...さすが、ソンプーファミリー!!その場にあったホースを繋ぎ合わせて臨時で水道から繋ぐ事に成功...無事、パルパーが稼働し、用意していたチェリーの精製開始〜パルパー後の選別具合やチェリーの皮(カスカラ)の取れ具合をチェック... 今回、訪問の目的はラオス産のコーヒー豆でFWCF独自の精製を出来ないだろうか〜その為に短時間ではありますが、ソンプーさんとはエンさんを通じて色々な話をしなければならないし、生産者として今までの経験と実績、もちろんプライド、更にラオスのコーヒー業界事情...色々な話をしていく中で練って来たプランがありましたので、彼らのウェットミルの状況などを鑑みて一つの方法に行き着いた! 現在メインではウォッシュドですが、ハニーも手掛けている...もっと味わいに特徴を持ったハニー精製が出来ないか?? その夜色々な可能性を思い巡らしながら、2日目〜今日はメインの農園への訪問だ!!トラクターでないとその農園には行けない...広大で道が悪く途中川を渡るなど..ソンプーさんの愛犬が真っ先の乗り込み自分の特等席を確保し、その後皆なで乗り込んで出発〜 森の中に入っていくとそこは素晴らしい景色が広がっていました〜ウェットミルのある昨日の農園も素晴らしいのですが、今日は一面がコーヒーの森!! ここは良いね〜 ソンプーさんは基本Cool、エンさんはTalkative、僕もハイテンションで喋りかけるとソンプーさんもちょっと自慢げにニヤッとし、TYPICA!〜って叫び、皆なテンション高め!!品種の見極めのQuizクイズ状態〜 トラクターはどんどん奥に進み、途中他の生産者の農園もある為、皆な収穫に励んでいたので笑顔を交わし合いながら、どんどん悪路を進んで行きました〜 ソンプーさんの農園は奥の方でかなりのフォレストファーム!茂っている森のエリアにはTYPICAが密集しており、反対側の比較的フラットに整頓されているエリアにCATIMORの様に配置されている。前の農園はTYPICAとCATIMORが混栽しているので見分け必須〜勉強になりました〜こちらはエリアで分かれているので、やはりこちらがメイン農園だと言えます。 ソンプーさんのコーヒーでTYPICAは甘さとオレンジ感が特徴!CATIMORの方がフレーバーは強く、カシスやクランベリーの様で酸味もシャープな印象(2023ロット)があった...Pickした完熟チェリーのTYPICAはもちろん、CATIMORも甘い!!やはりこの環境に寄与する『テロワール』なんでしょうね〜  

ラオスコーヒープロジェクト Laos Coffee Project Part.3

パクセーの市内はホテル近くに大きなマーケット、そして東南アジアの商店、露天などこじんまりした街ですが、『ラオスコーヒー協会』の建物があるという事を考えると...