ベトナムコーヒー最前線

ベトナムコーヒー最前線<コーヒー生産世界2位> Part.1

コーヒー生産地と言えば...ブラジル!
言わずと知れた世界のコーヒーの30%超を担う『コーヒー大国』。コーヒー産地は基本赤道の北緯25度、南緯25度の間のコーヒーベルトに位置氏、生産国数で言えば60カ国に及ぶ生産地帯なのです。

昔からブラジル サントスNo.2(*ブラジルではNo.2が最高等級...コナではエキストラファンシー、ファンシー、そしてNo.1が3番目なんです。本当のNo.1が付けられるのはブルマンだけ!)とか喫茶店では定番でした。
サントスは港町でコーヒー産地ではありませんが、伝統ある日本の喫茶文化(ファーストウェーブ)ではサントス、モカ(イエメンの港)、キリマンジャロ(アフリカ最高峰の山:タンザニア)、マンデリン(スマトラ島のマンデリン族)では鉄板の銘柄で『呼び名』でした。

現在のサードウェーブでは『産地』が名称になっています。
〜ブルマン(ブルーマウンテンエリア:ジャマイカ)、コナ(ハワイ島コナエリア:アメリカ)2銘柄は昔から『産地』で呼ばれていた事が伺えます〜

ブラジルは南米の大国で世界第5位の人口と世界第6位の国土を誇り、ポルトガルの植民地時代(1727年)にポルトガル海軍士官によってフランス領ギアナから持ち込まれたと言われています。そもそもコーヒーノキはエチオピアの自生植物でアラブの商人達によって世界に広がり、ブラジルの様にポルトガル人によって種や苗が持ち込まれて栽培が開始されたのです。

先に述べたポルトガル海軍士官がフランス領ギアナから持ち込んだ...つまりその時代はフランス領で既にコーヒー栽培は盛んに行われていた事が伺えます。

フランス領のベトナムのコーヒー栽培の歴史はブラジルより古い...17〜18世紀に宣教師達によって持ち込まれて栽培はされていました...公式情報ではブラジルより新しくフランス領(植民地化)時代1857年以降に大規模化(プランテーション)してアラビカ種の栽培を開始したと記録されています...

ベトナムのコーヒー分布
出典:VietBiz HP

但し、ロブスタ種の方が気候に適しているという見解と特にベトナム戦争後に政府主導の下1980年代のドイモイ政策により一気にロブスタ種の生産を拡大し、世界第2位の生産国(アラビカ10%ロブスタ90%)になりました。
インスタントコーヒーの需要が飛躍的に延びたのはベトナム戦争と言われています。正にロブスタ種のコーヒーはインスタントコーヒーの原料として幅広く流通している重要な品種なのです〜訪問時はちょうどベトナム戦争終結50周年パレード開催中でした〜

ベトナムにロブスタ種を持ち込んだのはフランス人で1914年頃、その後研究を重ねベトナムの土壌、気候、標高の研究を経て中部の高原地帯パンメトートを栽培地として選び1922年には一気にコーヒー農園を広げて行きました。
中央高原地帯のみならず南東部や中部地方にも進みベトナムコーヒーとしてのブランドと文化は世界でも有名になって行きました。

ベトナムのコーヒーの歴史について語って来ましたが...そもそもコーヒー品種とは?
コーヒーの品種には大きく分けて3大品種と呼ばれる
アラビカ種
カネフォラ種(ロブスタ種)
リベリカ種
コーヒー関連の資格の試験があったら必ず出題される基本中の基本です。
*一般人には全く関係ありませんが、皆さんは自然に口に触れているコーヒーもお米のタイ米(ロング系:インディカ米*世界の80%)と日本のお米(ジャポニカ米)と同じ様にコーヒーとしてそれぞれの品種をドリンクで口にしている可能性が高いのです...

フラホワをはじめ通常コーヒー焙煎店では①アラビカ種のみを販売しており、スペシャルティコーヒーとはこのアラビカ種のTOP OF TOPを称しています。

アラビカコーヒー

それでは②ロブスタ種③リベリカ種はどこで飲める?飲んでるか??

ロブスタ種は皆さんが一番馴染みの深いコーヒー...そうです!インスタントコーヒーに主に使用されています。缶コーヒーや工業用のコーヒーフレーバー、コーヒー〇〇みたいなお菓子類に使用されているのできっと口にした事はある味わいです。

アラビカ種との大きな違いは『染色体の数』でロブスタ種は半分、カフェインは倍(そうは言ってもカフェイン含有率はアラビカ1%に対しロブスタ2%という程度)、香ばしく苦い(豆や麦感)だけでフルーティ感(酸味系)なく、ただ単に「コーヒー味」だと思って頂ければ分かりやすいと思います。豆の形も丸みを帯びて、センターカットと呼ばれる豆の割れ目が真っ直ぐ...アラビカ種はS字のカーブがあります...専門的言えば、更にロブスタ種もいくつかの品種に分かれているのです...

せっかくなのでリベリカ種についても軽く触れておきます。
先ずは希少性です。コーヒーと呼ばれる中で僅か1%に満たないのがリベリカ種です。生産自体がほぼされていない...
西アフリカのリベリア高原発祥で高い木だと10〜15mにもなる大木、味は苦味が特徴ですが酸味もあり、カフェインは少なくアラビカの6割程度(0.6%)、アラビカ同様病気に弱く、高地でなくても栽培可能...今はフィリピンとマレーシアの一部の地域のみでの生産にとどまっています。

最近はインドネシアなどでS795というリベリカ種のハイブリットもメジャーになって来ている。そして第4の品種と言われているのがリベリカ種の派生種④エクセルサ種...世界では6%程度とかなり低い生産量ですが、リベリカ種より酸味に優れアラビカ種との差は大きくない...まだまだ最近その特性や品種が確認出来て来たばかりのため今後の注目度は高い...

 

記事の一覧を見る