TIMOR LESTE久しぶりの産地!Promised Land 東ティモール

TIMOR LESTE久しぶりの産地!Promised Land 東ティモール

2019年のエチオピアを訪問後、コロナ禍の影響を受けてコーヒー産地を訪れる事が遠のいてしまいました。

2020年は NZ在住時に出会って日本に帰国後FWCFを始めてからずっとSOUL BEANSとして使用している東ティモールの地を訪れる計画を建てていたのです...

あれから4年、ようやく東ティモールの地に降り立つ事が出来ました。

世界最貧国...この異名を持ち、今では“世界を救う品種”となっているハイブリットティモールはポルトガル統治下の東ティモールで誕生しました。

“世界を救う?”どういう意味か... 2013年と言えばちょうどFWCFの1号店を仙台市泉区に開業した頃、スペシャルティコーヒー業界を悩ましていた問題が『サビ病』と呼ばれる中米のアラビカ種栽培に猛威を奮っていたサビ菌と呼ばれる細菌がコーヒーの葉に付着する事により錆びた様に歯の裏側にオレンジの1〜2ミリの斑点が付き(約100万個の胞子が存在)、最適な温度/湿度が揃うと急速に加速し、最終的には斑点が黒く大きくなり光合成が出来なくなり、葉が落ち、最終的には根をも脅かし2〜3年で枯れてしまう恐ろしい菌による被害です。

気候変動による影響、耕作放棄地からの浮揚による被害...ロブスタではなく、繊細な味わいを持つアラビカ種はこの菌への耐病性が弱い為、1970年代にブラジルで流行後、中米諸島へ移り世界のコーヒー市場に多大な被害を与えていたのです。

1861年にアフリカのビクトリア湖周辺で発見されたサビ病はアジア/アフリカで栽培されていたアラビカ種に多大な被害を与えて行きました。
その結果、今ではコーヒー生産地のイメージのないスリランカでは1860年末にサビ病の被害により全滅した事実があります。

東ティモールで生まれたハイブリットティモール種(以下H・T種)は、ロブスタとアラビカの自異種間交配種として偶然生まれたH・T種は正に奇跡の始まりだったと思えます。
先述した様にカネフォラ種(ロブスタ種)はサビ病に強い特性があり、味わいの良いアラビカ種の両方の特性を持った正に最強の品種となりました。

但しアラビカ種の中では味わいは低レベルとされていましたが、時代を経て様々な品種と交配種を繰り広げて現在はその第一弾としてブルボン系のカツーラ(カトゥーラ)種と交配させて成功した『カティモール』、ブラジルではブルボン系のヴィジャサルチ(コスタリカで発見された変異種)との交配種『サルチモール』、エチオピア原種系のルメスーダンとブルボン系K7とブルボン系SL28とカチモールを人工交配させた『ルイル11』...交配第一世代F1種達が更なる交配を重ねて現在の気候変動に影響を受ける世界のコーヒー市場を支えています。

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