コーヒーチェリー

TIMOR LESTE 久しぶりの産地!Promised Land 東ティモール! 4

いよいよマウベシへ!!

東ティモールを訪れる前に『Canta! Timorカンタ・ティモール』という映画を観ました。 これが素晴らしい〜コーヒーに辿り着く前にやはり歴史や背景を知る事は重要です!

首都のディリから日本のODAで建設された1号線を南下しマウベシを目指しました。 坂を登っていくとディリの街が一望出来る...この道のおかげで山間部との流通に大きく寄与している!日本の援助も実感出来ました。

産地は前回訪れたエチオピアと比べれば舗装路(ボコボコ感はありましたが、エチオピアのハンベラ/Gujiへ向かう道は80%は土...首都アディスから12時間の長時間移動)で快適、3時間弱でマウベシまで到着!

標高は1300m程度、ディリは海沿いで8月の暑さは日本並み、しかしマウベシはかなり違う...やはり夜は冷える。体感では10℃程度だったと思います。

番犬?野犬??とニワトリの鳴き声でマウベシの朝は始まります。
今回、マウベシではレボテロ集落のミゲルさんのお宅にお邪魔して2泊3日寝食を共にして収穫と精製のお手伝いをさせて頂きました。
家はウマと呼びますが、椰子の木で作った茅葺き屋根で高床式の方に我々は泊まらせて頂き、ミゲルさん達は家族多分15、6人で一つ屋根の下で住んでいます。大家族で子供が多く、子供なのか?親戚なのか?とにかく常に子供が10人くらいは居て賑やか!

食事はコメ、食用のバナナ、サツマイモ、キャッサバ(タピオカの原料の芋)、葉物野菜が毎日毎食+我々の訪問を歓迎して用意してくれた鶏肉…

そしてミゲルさんの栽培しているコーヒー!!
出荷出来ないB級品は自分たちで消費する...毎食本当にコーヒーが美味い!
エチオピアで体験した生産国の消費状況と似ている。
中米の生産者はそこまでコーヒーを飲んでいなかった...
エチオピアはコーヒー発祥の国!さすがだな〜と感動しましたが、東ティモールも日常的にコーヒーを飲む文化〜料理もしめたニワトリの羽を取る時も焙煎も…
全て1つのデカい中華鍋!薪火で豪快に!

収穫したパーチメント(殻)付きのコーヒー豆を取り出して来て先ずは脱穀、焙煎(少し水を入れた鍋で焼く)、そしてグラインド(脱穀と同じ棒とウス)で意外にも『繊細に網を使用して粒子を合わせる』バリスタ的なスキルを見せつけられた...

そして極め付けは手縫いの『ネルドリップ』!美味いわけです〜本当にこの一連の作業を見せてもらって体験させてもらい『一杯のコーヒーにかける想い』に感動させられました。

僕もエアロプレスで抽出して彼らに振る舞いましたが... 〜いつものコーヒーの方が美味い!〜惨敗でした(涙)

マウベシの夜はもちろん暗い 産地に行くといつも感動させられるのは『星空』 N Zでは毎晩空を見上げて『南十字星』を見上げていたな〜 そして久しぶりに南十字星にマウベシで出会う事が出来た(涙)

カンタ・ティモールで観た様に夜焚き火を焚いてティモール人はクラシックギター弾いて皆んなで歌を歌うのが大好き!!踊りも独特でフォークダンス(稲の籾踏みのようなステップ)の様なテベダイというダンスを皆んなで楽しむ!

産地の夜はこうして更けて行きました… 翌日、いよいよ収穫!レボテロのコーヒー畑を皆んなで『完熟豆』のみの収穫を敢行〜 各自カゴをぶら下げて完熟チェリーの摘み取りに励み、歌を歌ったり、子供達が周りではしゃいでいたり、とにかく楽しい収穫が出来ました。

収穫した完熟チェリーはその後ビニールシート上に撒かれ、選別作業に入ります。

2020年のLiveでの産地訪問ではエルダウトゥバ村落では3つの品種(モコ/ティピカ/アラビカ)があると語っていたが、今回のレボテロではハイブリット・ティモール(H・T)一種類の様でした。そこで発見した事は我々コーヒー家の知識で『新芽がブロンズ色=ティピカ種』なのですがH・Tの新芽も『ブロンズ色』だったのです。

これは僕にとっては大発見! 今ではゲイシャ種よりも珍しくなってしまった(耐病性が弱い為)ティピカのDNAを引き継いでいるH・Tの味の良さに納得いく発見でした。
エチオピアの原種であるエアルームがティピカになり、その後マダガスカル島周辺のブルボン島(現在のレ・ユニオン島)でブルボン種が生まれた歴史…そのティピカとカネフォラ種(ロブスタ)との自然交配がH・TなのでそのDNAが継承されブロンズの新芽の所以なんだ!と確信しました。

ミゲルさんの農園は丁寧に高さを揃えてParcicのネルソンさんの指導の下収量の拡大と品質の向上を目指した近代的な栽培方法に取り組んでいます。古い木はカットバックを行いシェードツリーや土壌にも配慮した農業に取り組んでいます。

 

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